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「あン?なんつったテメェもう一度言ってみろよ!」
電子機器を伝わってくる怒鳴り声。その声の主の状態は激怒という表現が相応しいだろう。
真昼間だというのに薄暗いその部屋は狭いが故に怒鳴り声は部屋全体を震わせた。
「だから-」
部屋の主は激怒する男にあくまで冷静な対応を向ける。例えそれが男の気持ちを逆なでする物であり、火に注ぐ油だとしても。部屋の主、肌の白い少年は淀みなく台詞を吐く。
「-低脳が吠えるな。架空請求なんていうくだらねえ人類の下に当たる役職のさらに電話番をするような下っ端が俺と同等な口を叩いてんじゃねえよ。」
まるでその言葉は最初から用意されていた物であったかのように。
「ンだと!?待ってろカス、すぐに殺しに行ってやるからなオイ!こっちはお前の場所位特定できんだぞ!」
「場所が特定できる?馬鹿か?IDから特定できるなんてツールを所持してんのは警察、いや、それ専門の機関程度だろ。んな見え見えの嘘吐くから雑魚なんだよ。因みにその建物、一歩でも出れば殺人未遂」
少年が返すと男は沈黙した。すぐに言葉を探すが見つからないらしく、低い唸り声が受話器の耳から聞こえる。
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