鬼ヶ島にて②

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親っさんはとても温かく、本当の親父のようだった。 俺の本当の親父は仕事が忙しく遊んでくれたことなんて一度もなかった… ましてや抱きしめるなんてなかったと母親が言っていた。 それでか俺は涙を流していた。 『鬼の目にも涙』まさにこの状況をいうのかもしれない… すると、親っさんは抱きしめるのをやめ、俺の顔をみた。 「泣くなよ、男の子だろ?」 そう言って涙を拭ってくれた。 そして、他の鬼たちにこう言った「おめぇら、今日はこの泣き鬼の誕生日だぁ飲んで飲んで飲みまくれぇ!」 『おぉう!飲むぞぉー』 さっきまでの緊迫した空気は一転、弾けたように鬼たちは騒ぎだした。 「おい!泣き鬼、こっち来て一緒に飯食おうぜ!」 泣き鬼とは俺のことだろう… 「いやいや、俺らだよなぁ?」 俺はこんな人気者になったことが一度もない… だからとても嬉しい。 2つのテーブルで食べていた鬼達がそれぞれ言い合いになると、親っさんが 「喧嘩すんじゃねぇよ、みんなで食べるぞ!」 『おぉう!』 そう言って、俺は親っさんに担がれ、大きな椅子に座らさせ食事をはじめた。 こうして鬼の仲間になることが出来たのであった!
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