鬼ヶ島にて②

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自分の部屋に入ると中はとても暗く、さっきまでの広間のようなランプはない… 月明かりだけが窓のようなところから漏れているだけである。 今日はいろいろとありすぎて疲れてしまった… 俺はベッドと思われるところで目をつむると深い眠りについてしまった… きっと明日には何もかも元通りだろう…うん。そうだろうな。 すると、目の前から誰かが歩いてくる、これはきっと夢のなかだろう… 顔は見えないが背丈は高くシルエット的には男だろう。 男はしゃべりだした。 「童話の世界はいかがですか?楽しいですか?」 えっ? 「どういうこと?」 「いえいえ、そのままです。」 「なんか知ってるのか?」 「はい、知っています。」 「ここはどこ?」 「桃太郎の鬼ヶ島です。」 「それは知ってる、じゃあなんで鬼になった?」 「うーん、あなたが主役の器じゃなかったからです。」 なんかムカつく💢 「どうやってここに飛ばされた?」 「チケットを持って搭乗口を通ったからです。」 通ったっけ? 「搭乗口ってどこのこと?チケットは?」 「物語・童話のコーナーを通り抜けたでしょ?チケットはあの本です。」 「なるほど…いつになったら帰れる?」 「帰りたいですか?」 はじめて質問された。 「帰りたいです。」 「うーん、次の新月のときに元通りになりますよ。ではおやすみなさい。」 謎の男はサァーっと消えていった…
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