志賀の陣

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姉川合戦の決着から僅か一月半。 阿波に退いていた三好三人衆が、三好長康ら三好一族の支援を受けて、摂津は野田、福島に陣を張った。 これを受けた信長は八月二十日、岐阜を出立。 織田は三好方の息の根を止めるまであと一歩というところまで追い詰めたが、九月十二日。 その背後を石山本願寺が突いた。 石山本願寺といえば、一向宗の本山である。 元は蓮如の隠居寺だったが、蓮如を慕う者が移住してきて、その寺勢がそれまでの本山であった山科本願寺を圧倒。 六角定頼らに山科本願寺を焼かれたことを機に、十世証如がこちらに本山を移した。 併しこの石山本願寺、単なる一宗派の本山とは訳が違う。 石山本願寺が位置した土地は淀川水系と瀬戸内海を結ぶ水運の拠点であり、京から堺へ向かう陸路の要衝でもあった。
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