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そんな武士たちは、いざ主君と本願寺が対立すれば、大方が本願寺に付く。
忠義より、信仰の方が重いのだ。
戦の経験を積んだ彼らが「信仰」という繋がりを得て、揆を一つに立ち上がれば、それは、もう、立派な軍事力となる。
信仰心という名の忠誠心の下、死さえも恐れず突撃してくる何百、下手をしたら何千という門徒。
それを纏め、指揮し、牙を向く嘗ての臣下。
なかなかに厄介な敵だ。
現に、加賀の富樫氏は、本願寺との対立に敗れ、滅亡している。
目前には弱っているとはいえ、本願寺の決起に計らずも鼓舞された敵。
背後には、下手な軍よりよほど精強な集団。
信長は進退窮まった。
この好機を逃す長政ではない。
旗幟を鮮明にした本願寺と長政は手を結び、湖北十カ寺、即ち、一向宗寺院を中心とする一揆宗が長政に味方することとなった。
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