志賀の陣

8/21
前へ
/142ページ
次へ
詮無いことを考える長政を諌めるように、風が吹いた。 湿った、冷たい風。 ああ、冬が来るのだ。 もう一度目を細め、長政は強く手綱を打った。 冬になれば雪が降る。 雪が降れば近江の国は閉ざされる。 そうなれば、信長には軍備を整える時間ができる。 その前に、決着をつけなければならない。 その足掛かりに、まずは、城を一つ、攻め落とす。 目指すのは、織田の将、森可成の守る、宇佐山城だ。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加