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大永四年に浅井亮政が築城したと云う小谷城は、小谷山一帯の尾根や谷をそのまま活用し、大嶽に本丸、清水谷には一族や臣の住居、それらを守るようにそれぞれ独立した砦である出丸、金吾丸、大嶽丸、月所丸、焼尾丸、福寿丸、山崎丸を配した堅牢な山城である。
尾根には下から番所、御茶屋、御馬屋、馬洗池、桜馬場、黒金門、大広間、本丸、中ノ丸、京極丸、小丸と続き、山頂には山王丸が在り、正に難攻不落と呼ぶにふさわしい様相を呈す。
決して華美では無いこの城は、天正元年、僅か二十九歳だった、ときの浅井家当主長政、その父、久政の自刃と共にその幕を閉じる。
信義を尊んだ、浅井一族と共に。
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