はじまり

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「ねぇ、お花見に行こうよ!亮太(りょうた)!」 目をキラキラさせながら、俺の少し前を歩いていた咲良(さくら)が振り返る。 「え?何で?」 突然のお花見発言に疑問で返す俺。 すると咲良は、何故自分の提案に疑問で答えが返って来たのか理解出来ない。といった顔をしている。 「何でって…そりゃ、春だからに決まってるじゃない! この、うららかな陽気、舞い散る花びら…!まさに、お花見日和!! 今日この日を逃すと後々後悔するわよ!」 俺の鼻先に人差し指をムニッと引っ付けて、俺の疑問に答えてきた咲良。 これはヤバい。このテンションは、ヤバい。何がなんでも絶対に花見する気だぞ。こりゃ。 「はぁ… 解ったよ。いや、俺だって花見すんのが嫌って訳じゃないんだし。 ただな、お前はいっつも突然なんだよ。何をやるにしても!」 今度は俺が巻き返す。 ちょっとシュンとした顔がまた可愛い。 「花見やるなら、まずは下準備が必要だろ!?」 その言葉に眼を丸くした咲良は驚くべき事を言った。
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