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―放課後 公園
淡いオレンジが空を包み
西に傾く太陽が
月との交替の時間を告げる
赤と青のブランコと
小さな滑り台
小さな子供達が、家への帰路につく
それを
見つめながら
二本のジュースを持った
喧太は英雄が座るベンチにゆっくりと歩み寄って行く
喧太:ヒデちゃん
喧太は
英雄にジュースを手渡した
英雄:ありがとう
英雄は傷跡に貼られた絆創膏に冷たいジュースをあてる
喧太:痛むか?
英雄:うん
でもすぐに治っちゃうよ
喧太:ホントに
ヒデちゃんは昔っから変わらんなぁ
なんでやり返さんねや?
イジメられるのイヤやろ?
英雄:イヤだけど…
僕はケンちゃんみたいに
強くないから
喧太:別に強ないよ
ただイヤなだけや
ヒデちゃんがイジメられるんが
英雄:ケンちゃん…
喧太:あ、せや
昔言うてたヒデちゃんの夢
あれは叶いそうか?
英雄はクスッと小さく笑い
遠くをみながら言った
英雄:僕には…やれないよ
それに、あくまで夢だから
叶いっこないよ
喧太:なに言うてんねや
夢もまた、現実の一つやないか
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