おお…妹 sister

我が家の風鈴

　
　突然だが、俺には妹が居る。

　そして、俺にはその妹の考えが良く分からないのだ。

　今年の春にランドセルを卒業したばかりの我が妹は、何が楽しいのか知らないが、夏休みを迎えた今もこうして、何をする訳でも無く暇を持て余しながら、いつも俺の部屋に居る。
　いや、もはや“入り浸っている”と言ったレベルだろう。

　そうそう、初めに断っておくが、たまに『お兄ちゃん、大好きっ！』などと有り得ない台詞を吐いてベタベタして来る妹……なんて都市伝説を見聞きするが、俺の妹はそんな架空の生物では無いので悪しからず。

　ただ、我が妹は昔から、暇さえ有れば俺の部屋へ来て、クッションに顔を押し付けて絨毯の上をゴロゴロ。
　それか、俺の枕にこれまた顔を押し付けてゴロゴロ。

　そう言えばここ数年、気が付くとベットの中に潜り込んでモソモソ動いていたりする事が増えた気がする。

　だがいずれにしても、妹は、俺が寝る時間になると部屋を出ていくし。
　その間、俺達の間に会話らしい会話も無いのだから、全くもって、俺の部屋に何をしに来ているかがサッパリ謎なのだ。