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――――8月15日の午後12時半くらいのこと
空には青空が広がっている。
病気になるんじゃないかって思うほどの眩しすぎる日差しが肌に突き刺さる。
そんな中で、デートというわけでもなく、ただ亮ちゃんと散歩がてらに近くの公園へ来ていた。
特にすることもなかったため、亮ちゃんと他愛もないことを話していた。
そこでふ、と亮ちゃんが
「まぁ、夏は嫌いやな」
と膝の上に乗せた猫を撫でながら呟いた。
その言葉に少し疑問を持った。
「亮ちゃんて、夏嫌いやったっけ?」
自分の記憶では、亮ちゃんは夏は嫌いではなかったはずだ。
亮ちゃんが好きなサーフィンは夏にこそシーズンを向かえるのだから。
「サーフィン、飽きたん?」
そう聞いた俺に亮ちゃんは苦笑しながら、
「あー、そういう意味ちゃうねん、」
サーフィンは大好きやし。と言ったので、ますます疑問に思い
「じゃあ、なんで?」
と聞くと
「まぁ、いろいろあってん」
とはぐらかすように言われた。
その時、亮ちゃんの膝の上に乗っていた猫が急に亮ちゃんの膝の上から降り、逃げていった。
亮ちゃんはその猫を追いかけて、走って行ってしまった。
俺は、慌てて亮ちゃんを追いかけた。
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