8月15日

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嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ!! ……全ての音が消えた。 時間が止まった気がした。 不意に前から視線を感じて顔を上げると、 誰かがこっちを見ている 直感的に思った。 あぁ、陽炎や、って。 何故そう思ったのか分からない。 でも陽炎だと思った。 呆然と見ている俺に向かって、その陽炎は 『嘘じゃないぞ』 と、声が聞こえたわけではなく、頭の中からそう聞こえた。 陽炎は楽しそうに嗤っていた。 夏の空の水色、頭ん中をかき回すような蝉の音に全てが眩み そこで俺の意識は途絶えた。 最後に見えた陽炎の姿は、誰かに似ていた。
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