「シンデレラ」

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「―で、何すんの、今から。」 「劇をやれだと。ほら、台本。」 「は?私も出るの?めんどくさい。」 「主役のお前が出ないでどうすんだよ。とっとと衣裳に着替えろ。」 「わー!分かったから脱がそうとすんなっ!」 ************ むかしむかし。ある所にシンデレラという女の子がいました。 シンデレラは優しい両親と一緒に幸せに暮らしていましたが、ある日母親が病死してしまいました。 それを悲しんだ父親は、再婚し、新しい母親を家に迎えました。 彼女にも娘が一人いたので、シンデレラの家は一気に4人家族となったのです。 家族が増え、喜んだシンデレラ。 しかし、彼女たちはとんでもない性悪女だったのです。 「ちょっと、誰が性悪よ!」 「…撤回をお願いしていいかしら?」 …あ、すいません、未央さん、麗奈さん。ナレーションに突っ込まないでくれますか? これ、一応聞こえてない設定なので。 …えーと。そうそう。 その後彼女らの…その、あまりよろしくない本性は、シンデレラの父親が亡くなってから現れるようになりました。 彼の遺産を手にした母と娘は、シンデレラをまるで使用人のようにこき使うようになったのです。 シンデレラは毎日毎日、家の掃除から洗濯、料理、果ては母娘の身の回りの世話までまかされました。 「シンデレラ!洗濯物をたたんでちょうだい!」 「シンデレラ!私のイヤリングはどこ!?」 容赦なく飛んでくる継母や義姉の言葉。 哀れなシンデレラは過酷な労働の日々に、みじめに泣き暮らして… …あれ?そうでもない? …意外と楽しんでいるようです。 料理とかプロ顔負けのお手並みですし。のんきに鼻歌なんて歌っていますし。 結構この生活、あってるんじゃ…………。 ま、まあ、何はともあれ。そんな日々を過ごしていたわけですよ、彼女たちは。 .
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