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「やっりい、俺役なしー♪じゃあなー、みんな頑張れよ!」
「あ、俺もですね。すいません、休憩頂きます。」
「え、何これ。今から何が始まるの?」
「あれ、拓史、久しぶりー。劇だよ、劇。今回はお前が主役だって。」
「聞いてないし、面倒くさ…。ていうか、本編で出番なかった俺が出ていいの?」
「出番のこと言うなら、オジサンだってどっこいどっこいよ?うわー劇なんてン十年ぶりだなあ。」
「いいじゃん、マスターさん、だっけ?その髭とか『老人』役ぴったり。」
「そう?じゃー頑張っちゃおうかな!」
「それはいいんだけどさ…ちょっと俺たちの役、無理矢理すぎない?ナツちゃんなんてとうとう無機物じゃない。ねえ、ナツちゃん?」
「………。」
「…ナツちゃん?」
「ん?…ああ、なんでもない。さ、行こうか。」
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どうも、こんにちは。
本日も当劇場にお越しくださいまして、以下同文。
今回は新たなキャラクター二人も交えまして、童話劇『ジャックと豆の木』始めさせていただきます。
むかしむかし。
ジャックという名前の男の子が母親と二人で暮らしていました。
ジャックは家に一頭だけいるウシの乳をしぼって、
それを街に売りに行くことで家の生計を立てていましたが、その雌牛も老いて乳を出さなくなりました。
「こうなったら仕方ないわね。ジャック、ウシを街に行って売ってきなさい。」
「はいはい、分かったよ母さん。」
母親にそう言われ、ジャックは雌牛を引いて歩き出しました。
すると道中、髭の老人にばったりと出くわしたので、
ジャックは歩みを止めて、やたら不審な老人を見ました。
「ちょっと、不審ってなによ、不審ってー!」
そういうところですよ、ご老人。
字面だけ見てればオカマにしか見えませんから、貴方。
せっかくの初登場です、ちゃんとキメてくださいよ…
ジャックもいきなり現れた不審者に、呆れ顔を作ります。
しかし、しばらくして道を塞ぐ老人に話しかけました。
「―何の用なの、おじいさん。」
「そうそう。少年、そのウシを売りに行くの?」
「そうだよ。高値で売れると思ってね。」
「高値?」
老人はぴくりと眉を上げ、いぶかしげにウシを覗きます。
それはそうでしょう。このようなくたびれたウシにどうして高値が……って、あれ?
こんなこと、台本に書いてありましたっけ?
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