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それは僕が生まれた日
小さな卵を破って黒い光の粒子は姿を変える神――グレイによって作られた人型に。
卵の中で早く早くと思いながらやっと、やっと1111年を迎え解放された。
だからこそ、僕は思い切り声を上げて笑うハハハ……と、でも何もない、王が誕生したのに歓声も拍手もなく辺りは、静まり返っていた。
僕は思わず周りの仲間を見渡すと
睨んでいた鋭く息が詰まるほど皆睨んでいた、いや多分、恨んでいた、憎んでいたそう思わずにはいられないほどの空気が重い
その中で一人の妖精が口を開いた。
「王よ、こちらに」
玉座を指し、玉座を先代の6人仲間達が1人の隙間をあけ囲む。
あぁ、と薄く乾いた声をだし玉座に座る。
空いていた所に1人が入り、玉座の周りにスゥーと真っ黒な王と言う字が浮かび、玉座に向かって1つに重った。
そして――
過去が流れて、最も知りたくない記憶が蘇ていく鮮明にあの出来事を。
最初の静けさはこれが合ったからかと、だから何だ、これから僕が頑張って行けばいいと思っていたのに……なのに
「お分かりになりましたか」
静かに諭す様に
――もうお前はいらないと言っているようだった。それからすぐに追放された。
裏切り者と罵声を浴びて――
大事な何かを無くしたと感じるほどに
辛く辛く辛く辛く辛く辛く辛く辛く辛く辛く寂しかった
生まれなければよかった
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