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「きゃぁ!!誰かその人捕まえて!!!」
時は文久3年―――京。
陽は昇り、町には人が増え始めていた朝。
清々しいばかりの朝なのに、ただならぬ女の悲鳴で台無しになってしまった。
店の前で開店準備をしていた男はちょうど暖簾を店先に掛けているところだ。
「何事だい…?」
ふぅ…と、ため息を着きつつ騒がしい方を向くと、脇に何かを抱えて全速力で走ってくる男が一人。
せっかく掛けた暖簾を徐に取り、走ってくる男を見据えた。
「どけどけぇーっ!!!」
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