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藤倉の呟きが聞こえたのか、斎藤は振り返りながら訂正した。
落ち着きのない男ですね。寡黙そうに見えるんですが。
確かに、ここ最近で浪士組から新撰組に改名したと聞いた。…こだわりがあるのか。
「…さて、帰りましょうか」
「やれやれだな…全く」
阿久津も少々疲れた様子である。
帰ろうとしたのだ。帰ろうと思ったのに……
「待て桂ァ!!!」
「待てと言われて待てますかーッ!!」
"桂"という男と、新撰組の追いかけっこはまだ続いていた。
こちらへ向かって土埃を上げながら走って来る。
巻き込まれては適わないので、二人は路地に避けて過ぎるのを待つことにした。
ドカッ!!
どすん!!
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