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「えっ、と……
まぁ初めて聞きましたけど…特別聞かなかったですし。
それが?」
薩摩?聞いたことはあるが、いまいちピンと来ない。
「俺、薩摩藩から…西郷…殿から逃げてきたようなもんなんだ!!
武士には向かねぇんじゃないかって思って……吉田の言ったことは本当だ。西郷殿も言ってた。"歴史が変わる"って。"都は薩摩に変わる"そんな戦争が今後起こる。
俺はそんなことに興味はねぇ。逃げてきたことには変わりはねぇし、武士の誇りがなかったわけじゃない。
でも………っ」
意味がわからな……くもないが、解りやすく説明してほしい。
阿久津も少々混乱状態だ。
「阿久津、落ち着いてください。真夜中ですし、それにその話……聞かれたらまずいでしょう?」
「!!
……悪い…」
「要するに、阿久津は倒幕派"だった"。そして世の中が大きく動く……これでいいですか?」
藤倉は幼子に言い聞かすように阿久津に言った。
阿久津はまだ何か言いたそうだ。
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