一舞*京の町商人

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「暇なんですね。 この暖簾洗ってそこの竿処分して新しい竿調達してきてください。」 口早に言って、暖簾を押し付けた。 「暇じゃな…」 「暇ですよね?」 「ちがッ」 「いってらっしゃい。」 「…行ってきます」 藤倉と言い合いをしたところで阿久津が敵うはずもなく、敢え無く屈し、お使いに行くこととなった。 「さて……」 藤倉は納戸から新しい暖簾と竿を出し、店先に掛けると満足げに店の奥に入って行った。
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