一舞*京の町商人

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「きょんちゃん!! 暖簾掛かってるじゃねぇか!!!」 半刻程して、店の戸を勢いよく開け放ちズカズカ入ってきた阿久津。 「お前、誰も替えがないなんて言ってないでしょう。 それと営業してるんです。静かに出来ません? あと、"きょんちゃん"は止してくれないです、か?」 藤倉の背後に般若が見えたのは、気のせいではない…かも。 ヒクッと引いた阿久津は大人しく空いてる席に座った。 店が落ち着いたころ、 「なぁ…恭彩、聞いてくんね?」 いつになく真面目そうに切り出した阿久津の前に、お茶と水饅頭を置き藤倉も座った。 「なんだ…?」
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