6人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は、街を歩き回った。
何日歩き回っただろうか? 誰かが手を差し延べてきた。
俺は、なにかに導かれるようにその手を握った。
…
今思えば、それが初めて知った愛情だったのかもしれない。
俺は、育ての親である 緒方 誠二(おがた せいじ) 夫妻の元へ養子として引き取られた。
それほど裕福な暮らしではないが、毎日が楽しかった。
でも…
高校1年の夏、二人は亡くなった。
旅行先で事故に遭った。
即死だったらしい。
今まで、一人だった俺を育ててくれた人が急にいなくなったから、俺は目の前が真っ暗になった。
最初のコメントを投稿しよう!