回想

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俺は、街を歩き回った。 何日歩き回っただろうか? 誰かが手を差し延べてきた。 俺は、なにかに導かれるようにその手を握った。 … 今思えば、それが初めて知った愛情だったのかもしれない。 俺は、育ての親である 緒方 誠二(おがた せいじ) 夫妻の元へ養子として引き取られた。 それほど裕福な暮らしではないが、毎日が楽しかった。 でも… 高校1年の夏、二人は亡くなった。 旅行先で事故に遭った。 即死だったらしい。 今まで、一人だった俺を育ててくれた人が急にいなくなったから、俺は目の前が真っ暗になった。
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