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セイシアのいる教会では、彼女のような訳ありといった子供達が大勢おり、セイシアがこの教会に来た当初は二十人ほどいた。
もはや孤児院と言っていいほどの教会では、大勢いる子供達の食事代だけで精一杯で、とても学校で学ばせる資金などあるわけがない。
なので、マリーと、その時マリーの補助をしていた二十代くらいのエリスという女性が、教会の一室に子供達を集め基本的な勉強を教えていた。
が、セイシアは二人が教える授業だけではなく、暇な時があっては近くの図書館に入り浸り、独学で勉学を学び、十四歳の時には七カ国語も話せるようになった。
マリーやエリスに代わって子供達に授業をするようになったり、ある日セイシアの頭脳を知った学校の教師がぜひウチの学校で教師をしてくれないか、と言われたセイシアは、時々学校の教師を勤め、それでもらった給料を教会の資金にしていた。
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