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その日の夜、マリーは目を覚ますとセイシアを自室に呼び、ベッドに寝かしていた体をゆっくり起こすと、何が起こったのかを語りだす。 『よく聞いてセイシア、これから言うことは全て本当のことよ。あなたの体には今、悪魔が宿っているわ。その悪魔は遥か昔、この村を滅ぼしかけた悪魔なのよ』 突然語りだすマリーに、セイシアは困惑した表情で聞いている。 マリーは続けて、 『そしてこの教会を作った私の祖先が、その悪魔を弱らせ水晶玉になんとか封印し、この教会の地下室へ閉じ込めたの。けど祖先はその事を誰にも告げなかった。 何故祖先が教会の地下室に悪魔を閉じ込めたのかは分からないの。それ以来その事は私の家系で受けつがれ管理し、誰にも知られてはいないわ』 マリーは深刻な顔でセイシアを見つめ、 『けど、まさかあなたが地下室の事を知るなんて思いもよらなかったわ』 マリーは顔をうつ伏せ、一つため息をつくと真剣な表情でセイシアを見つめこう言った。
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