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もう、そこからは何も考えられなかった。
自分の顔を横目に驚いた顔をする異国の人達も、時間の流れも、自分の事でさえも分からなくなっている。
いつしかセイシアの目尻には、冷たくて透明なモノが溢れ出ていた。
彼女は頬をなぞる冷たいモノの感触に気づくと、自我を回復させる。
だが、今さら自我を回復させたところで、全身を駆け巡るのは不安と恐怖、そして絶望。
この時セイシアは、何もかも諦めてしまった……。
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