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そんな時だった。
彼女はある人物を視界にいれる。
自分の位置から、反対方向に十メートルほど離れている場所。
そこには、自分が座っている同じ形のベンチがあり、そのベンチの横に一人の人間が立っていた。
その人は黒かった。
その人の姿は服が上下もと黒く、短い髪も黒い。
後ろ姿なので男性か女性か分からないが、背丈や体格から見ておそらく男性だと思われる。
セイシアは何故か、その全身真っ黒な人間が気になってしまった。
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