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2075年6月1日 AM00:05 聖オリエント学院体育館 恋川愛理は、突然の眩い閃光によってくらんだ視力が回復するのを実感していくと、徐々に瞼を開けつつ状況を確認した。 「何が……どうなったのよ……?さっきの光はいったい何だったの」 恋川の視界に入った光景。 それはまず、体育館中央の位置である天井が、直径約二十メートルほどの円形型に切り取られたかのようにすっぽりと消えていて、その奥では夜空が見え、星々が輝いていることだった。 次に彼女は、体育館内に視線を巡らすと、あの黒くて大きな翼がなくなっていて、壁や床がところどころ破壊されていることが分かった。 「……あ……」 恋川は掠れるような小さい声を零すと、視線をある一定の場所へと固定する。
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