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「何よ……じゃねぇだろ。こっちはさっきの件で、ギャクマンガに出てくるような目玉が飛び出るシーンが何個もあったんだよ。
二つ質問に答えろ。嫌とは言わせねー、巻き込まれて危うく死ぬとこだったんだ、あんたに拒否権はねぇよ」
有無を言わせない彼の物言いに、女性は「はぁ」とため息をついて、体の向きを戻した。
「で、何が聞きたいのかしら?」
「まず一つ目、ロガッタは魔術とやらでジャスティスの能力者達に幻を見せ、強制的に能力を封じた。
それだけで信じられねぇ話しだが、事実をこの目で見た俺としちゃあ納得するしかねぇ。
魔術って存在そのものを含めてな」
一呼吸置き、裏表は続けて、
「ロガッタは『不幸』な幻を正義の連中に見せた、泡吹いて卒倒するぐらいのヤツをな。
俺が聞きたいのはここからだ。ロガッタはアイツにも幻を見せたと確かに言っていた。それも地獄っていうほどの幻を……。
なのに何故、アイツは正義の連中のように叫びもせず、倒れもせず、ロガッタに反撃出来たんだ?
アイツの能力は規格外の力だが、幻を見せられて能力そのものが使えないなら、力の意味は関係ないだろ?」
彼の問いに、女性は足を組んで、顔をうつ伏せこう答えた。
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