結核の完治

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「みんなどうしてるかな…」 この時代は、とても便利で不自由がない。 人斬りもいないようだし、これこそ平和と呼べる時代なのだろう。 けれども、総司の時代にいた後の偉人達のような存在の者はいない。 総司の持っている志や信念などは、この時代にはひとかけらもない。 それを感じ、なんだか虚しく思えたのだった。 「近藤さんや土方さんに会いたいな…」 結核を治したのだって自慢できる。 あの時代では不治の病とされていて、治った者はそうそういない。 いや、総司の身の回りに一人だけいた。土方だ。 彼は幼いころ、結核を患ったが気力で治してしまったという強者である。
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