結核の完治

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総司の手元にあるのはタイムワープする時に同時に持ってきてしまった愛刀の菊一文字則宗。 この刀は非常に珍しく高価なもので、大名でさえも手に入れるのは困難である。 どこでそんな物を手に入れたのか… それは総司にも分からない。 沖田家にある物置部屋を掃除していたら、姉のミツが偶然発見したのだ。 最初は偽物だろうと思っていたのだが、刀売りに見てもらったところ、菊一文字則宗であることが判明した。 その当時は驚きよりも喜びの方が大きいもので、やたらとはしゃいだのが記憶にあった。 有名なだけあって、斬れ味も軽さも全てが素晴らしい出来だ。 綺麗に残っている刃文は刀の良さを表している。 「これで…幾人を殺めてきたのか…」 血糊などは毎回丁寧に手入れをしているから附着していないが、殺された者の怨念はべっとりとついている。 時折、自分が殺した者が夢に出てくるから怖くて仕方が無い。 「この時代は本物に平和だな…」
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