結核の完治

13/13
2051人が本棚に入れています
本棚に追加
/970ページ
「沖田総司労咳で死亡享年25歳、土方歳三箱館(函館)五稜郭の地で死亡…近藤勇斬首刑にて晒し……………」 総司は、最後まで口に出して読むことが出来なかった。 「なんなんだよこれは!!!」 あまりに衝撃的であった史実に怒りを覚え、本を床に叩きつけてしまった。 「近藤さんが斬首…土方さんが討たれるなんて…そんな史実変えてやる!!」 史実を変えれば世がどう変化するのか。 そんなことは全く考えもしていない総司が思うことはたった一つ、元いた時代へと戻りたいということ。 そして史実をなんとしても変えようとしている。 「どうしたら…どうしたらいい…!!」 「沖田さん?物音がしたけど…どうしたの?」 部屋のノックもせずにドアを開けてきた母。 荒ぶる彼の様子に驚き、訳を尋ねて総司が理由を言えば、険しい表情になった 「そう…見てしまったの…」 総司がそこまで文字が読めるとは思っていなかったから"新選組"の本を読むことはないだろうと勝手に安心していたのが過ちだった。 「母上、私は元の時代へ戻ります」 「方法は…分かるの?」 「いえ…どうしたら良いのかは…」 先走った行動故に口ごもると、母はフッと微笑んだ 「なら、ちゃんと準備しましょう?この時代にしかない役に立つものをあらかじめ揃えておけば元の時代できっと役に立つわ」 「それは良いですね!!じゃあ早速取り掛かりましょう!!」
/970ページ

最初のコメントを投稿しよう!