知らない記憶

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暫くして夜が明け、屯所にも小鳥がやってきて囀りを始めた。 「………もう朝か…」 重たい瞼を開くと、痛いほどに光が射し込んできた。 「眩しい………」 でも涼しくて、風が心地良い。 庭に広がる青々とした木々が、朝日に照らされ更に美しく見える 着流しからきちんとした服装に着替え、井戸で顔を洗い準備を整え終わったところで朝餉に呼ばれた 「そういやあ…山崎さん最近見ねえな…」 格好付けた口調で小さく思った事を呟いた友梨奈。 途端、後ろから無かった筈の気配が突然に現れた。 「私はここにおりますが」 「や、山崎さん!?」 ヌウッと屋根裏から出て顔だけ覗かせている。 どうやらその穴は緊急時用らしく、今は少し壊れた部分を整備していたそうだ。 「なんや…そんな驚かなくても…」
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