知らない記憶

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「あ、あの!おまさちゃん!!みたらし二つね!」 「はい、かしこまりました」 何をしている原田左之助。 せっかく友梨奈が外へ連れ出したというのに、これでは意味がないだろうが。 原田にとっては恋を意識しているが、今のおまさにとっては客以外のなにでもない。 「何やってんですか原田さん!」 「ああー、やっちまった」 「おまささんは今休憩時間なんですよ!話しが出来るのは今しかないんです」 「なんだって!うーん、やっぱり声かけてくる!」 さっぱりした性格の原田は早速店の中へと駆け込んだ。 やれやれ、と溜息をつきながらもそっと微笑した彼女が長椅子に腰掛けようとした途端、向かいの店で罵声が響いた 「これどうしてくれんだ!!」
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