知らない記憶

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なんとか一件落着し、観覧客もぞろぞろと離れていった。 「あの、お侍はん!本間、堪忍どっせ…。それとおおきに」 パッと笑う彼女の表情を例えるなら向日葵のようで、とても可愛らしかった。 「いいえ、たいしたことではありませんし」 「いえ…、それでも…。あの、宜しければお名前おせて下さい」 「はい。私は沖田総司といいます」 「おおきに。それと、あての名前は石井秩と申します。沖田はんってあの新選組の沖田はんどすやろ?以後もよろしうお願いします」 「こちらこそ」 後に運命と歴史を変える彼女との出会いは、ここから始まった。
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