過去へ戻る準備

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「私の一番…」 今まで一番に助けたい人というものは考えたこともなかった。 関わりのある人全てが大切であったから、すぐに頭に思い浮かばない。 「近藤さん…、土方さん……、原田さん…、…………平助」 逆に考えてみる。 今まで、誰が総司のことを一番に助けていたか。 「…………平助。一番に助けたいのは藤堂平助、です」 彼は後に新選組から脱退し御陵衛士というものに加わる。 そして油の小路と呼ばれる場所で新選組と激闘の末、彼は喉元をバッサリ斬られ死亡するという史実が残っているのだった。 ?そんなの、許せない。 「既に歴史は変わっています。何故なら労咳で死ぬはずの私が今ここに完治して存在していますから。母上が生かしてくれたこの命は決して無駄にはしません。元の時代へ戻ったら必ずや仲間を救ってみせます」 「ええ、応援しているわ」 そう言って、二人同時にポテトチップスを口に運んだ。
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