執事になりました

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記憶が所々抜けていると気付く迄に長く経過した風に思えた、近所の学校に通っていた17歳の男までしか思い出せない。 「ゆっくり思い出しなさい、ここにいる間は働いてもらうけど問題無いよね?」 「あぁ……いや、今なんて!?」 俺は言葉を発していないのに記憶が無い事を理解していた、制服らしき物を置いて笑顔で去る女の子を止める事は出来なかった。 「あら、使用長?」 そして入れ替わる様に白と黒の服を着たお姉さんが部屋に入って来る、お姉さんの手にはタオルと白いボール状の陶器がある。 「あぁ…良かった、リュウスケさん目覚めたんですね」 「リュウスケ……?」 俺の名前らしき物を言ったこの女性は俺の知り合いなのだろうか、色素が薄くて何処か儚げで美しいが何も思い出せる事は無い。 記憶がほとんど無い旨を伝えると驚いたようにその場に崩れた、そして目に涙を溜めて俺を強く抱きしめる。 「ぐはぇっ!」 「大丈夫です、私も協力しますから一緒に時間をかけてでも取り戻しましょう!」 ~*~ 「起きろリュウちゃん、我々の朝は早いぞ!」 「…ん、えっと………おはようございます?」
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