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じゃあ俺も。確かに、かっちりとし過ぎるのも良くない。
まだ高校生。これぐらいの緩さがちょうど良い。
そして俺の意見も、まだ高校生。これぐらいの緩さがちょうど良いってやつだ。
「そうだな、森崎の意見も良いだろう。だが、俺から言わせりゃ夢なんてものは、高校生の段階じゃまだ夢だ」
自分で言うのも何だが、うん。綺麗に決まったんじゃないだろうか。
「なるほどね、あんたは高校生は夢を持つなって言いたいのね?」
森崎は少し身を乗り出し、顔を近づけてきた。
近い。
俺はそう言うように手で払い、首を横に振る。
「別にそうは言ってない。森崎の言う通り、夢を持つと人生が変わるんだろうな」
ま、俺にはわからないがな。
と、心の内で苦笑いを浮かべる。
「え、ちょ、へ?」
森崎はせいぜい戸惑っているようだ。
今の顔は、そう、鳩がM37を食らったような顔をしている。
いや、死ぬっつーの。
俺は少し想像してしまい、口の端を綻ばせてしまった。
それをお嬢さんは不快に感じたらしく、見事銃弾を弾き返し、こちらを睨みつけてくる。
どんな鳩だ。
「どういうことよ。説明して」
語調が強くなった。
いかんいかん、怒らせてしまったようだ。
説明する、って程のものでもないんだがな……。
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