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森崎はしばらく考え込んだ。
顎に手を当て、眉にしわを寄せる。
俺は空を見た。
こういう沈黙は嫌いじゃない。が、女と二人ってのが少しよろしくなかった。
考えことが好きな俺は、大概こういう時は何かの思いに耽る。
しかし、できない。
「……う~ん……」
意識していないと言えば、嘘になる。
異性として。まぁ、そうだな。
ただ、好きとかそういうものとは程遠い。
高校生活二日目だぞ? プレイボーイにも笑われる。
というより、俺達は二日目で一体何をしているんだろうか。
だからといって、帰ってやらなければならないこと。ない。
それならそれで小説を読んだり、昼寝したり、昼寝したり、昼寝したり。
やらなくてはならないことはなくとも、やりたいことはたくさんある。
そうだ、今寝よう。
「何してんのよー」
いてっ。小突かれた。
「なら早く答えを言え。俺は時間を有効利用したいだけだ」
ってことでおやすみなさい。
俺は腕を斜めに倒し、それを支えに頭を預ける。
はい、お昼寝のポーズ。
「起きてよ! なんかむなしいじゃない!」
いてっ、小突かれた。
じゃあ早く答えてほしい。
仕方なく俺は体を起こし、森崎にはっきりと聞こえるように溜め息を一つ。
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