これでいいのか?

5/13
前へ
/25ページ
次へ
森崎はしばらく考え込んだ。 顎に手を当て、眉にしわを寄せる。 俺は空を見た。 こういう沈黙は嫌いじゃない。が、女と二人ってのが少しよろしくなかった。 考えことが好きな俺は、大概こういう時は何かの思いに耽る。 しかし、できない。 「……う~ん……」 意識していないと言えば、嘘になる。 異性として。まぁ、そうだな。 ただ、好きとかそういうものとは程遠い。 高校生活二日目だぞ? プレイボーイにも笑われる。 というより、俺達は二日目で一体何をしているんだろうか。 だからといって、帰ってやらなければならないこと。ない。 それならそれで小説を読んだり、昼寝したり、昼寝したり、昼寝したり。 やらなくてはならないことはなくとも、やりたいことはたくさんある。 そうだ、今寝よう。 「何してんのよー」 いてっ。小突かれた。 「なら早く答えを言え。俺は時間を有効利用したいだけだ」 ってことでおやすみなさい。 俺は腕を斜めに倒し、それを支えに頭を預ける。 はい、お昼寝のポーズ。 「起きてよ! なんかむなしいじゃない!」 いてっ、小突かれた。 じゃあ早く答えてほしい。 仕方なく俺は体を起こし、森崎にはっきりと聞こえるように溜め息を一つ。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加