委員長と色彩学園

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騒ぎを起こしている二人へと近づいた透俐はやる気無さげに声をかける。 「おい、いい加減やめろ。てかどんだけ長い間喧嘩してんだよ。長さが異常だわ」 二人の間に体を滑り込ませた為、嫌でも透俐の存在に気付いた二人はびっくりした顔をしながら喧嘩を一旦やめた。 「周りの迷惑も考えろ。で?何があった」 訳を聞かれた途端、一人が我先にと話始めた。 「聞いてください委員長!こいつが!」 「あっ!ふざけんな!違うんです委員長!もとはといえばこいつが…!」 どちらも自分より相手が悪いということを伝えようとして、いつの間にかまた喧嘩が始まる。 「…俺は一回止めたからな」 ガツンッ! 「「痛っ!」」 一言呟いたかと思うと、透俐は言い合いを続ける二人の頭に拳を振り下ろした。 「いい加減にしねぇかテメェら!周りの迷惑考えろっつってんだ!」 「痛ぁ…何すんですか委員長!」 「そうですよ!大体俺は悪くないって…!」 「いや、俺の方が悪くない!悪いのはこいつだけ…!」 「やかましい!喧嘩両成敗だダァホ!大体なぁ、悪くない奴がいるなら喧嘩なんざ起きねぇんだよ!」 「「っ!」」 「お前ら二人共本当に自分は悪くないって胸はって言えるか?本当に自分に落ち度はねぇって俺の前で言い切れるか?後ろめたさは微塵もねぇか?」 「うっ」 「そ、それは…」 透俐の問いかけに二人は気まずそうに目を反らす。 「ちょっとでも罪悪感があるならもうやめとけ。納得がいかないならとことんやればいい。喧嘩が悪いなんざ言わねぇが周りを見てやるんだな」 透俐に言われて周りを見ると、心配そうに見ている生徒達。 「「す、すみません…」」 「まず謝るのは俺にじゃねぇだろ」 わかってはいるが喧嘩相手に謝るのはなかなか恥ずかしいもので。でも謝らないとこの事態の収集がつかない。 「わ、悪かったな」 「いや、俺も悪かった」 仲直りした二人を見た透俐は溜め息をついた。 「もう喧嘩なんかするなよ。これほど他人に迷惑しかかけない行為他にない」 「ほんと、すみませんでした…」 「すみません…」 謝る二人に透俐は少し満足気に言う。 「ま、一件落着ってことで!」
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