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｢何笑ってるんだお前ら｡また俺の悪口か｣
いつの間にか目の前にいて見つめてくる透俐に､翼はいつの間にか自分の頬が緩んでいたのに気が付く｡
｢悪口じゃない｡お前の欠点を言い合っていただけだ｣
｢知ってるか朔夜､それ世間じゃ悪口って言うんだぜ｣
｢透俐先輩｣
｢………何｣
｢何ですかその間｣
｢いや､いきなり名前呼びだったから｣
｢駄目ですか?｣
｢別にいいけど…どした?｣
｢俺､もっと透俐先輩のこと知りたくなったので､これからはガンガンいこうと思います｣
｢は?｣
｢覚悟の方よろしくお願いします｣
爽やかな笑顔で言い放った翼の顔を見上げて呆けていた透俐はすぐに意識を取り戻して､勝手にしろ､とい言うと歩いていってしまう｡耳が赤くなっているように見えたのは気のせいではないはず｡
｢ほら!早く帰るぞ!朔夜､理緒…翼!｣
｢あぁ｣
｢はーい｣
｢!…はいっ!｣
前を歩いていく先輩の背中を見失わぬよう､少しでも見逃すことがないように､何よりも誇らしく､輝いて見えた後ろ姿を追いかけるように駆け出した｡
｢Ｚｚｚ｣
｢佐原､お前本当に追いかけるのあれでいいのか?｣
｢～っ!仕事してください!先輩!｣
何か見えてくる…はず!
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