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「こうして透俐さんに会えるのを心待ちにしていたんだ…大丈夫でしたか透俐さん?朔夜さんとかに変なことされませんでしたか?」
「するか馬鹿。大体風紀委員会が題材の小説で二年生がいないのに途中で気付いて登場が二話目になったやつにとやかく言われたくない」
「やめろ朔夜。そういうの控えていこうとしてるんだから。ちゃんと話だけでやっていこうとしてるんだから」
「うるさいですよ。大体クラスも同じだからっていつも一緒にいすぎなんですよ。それなのに、俺はなんとも思ってないぜ?みたいな顔しやがりなさって。なんですかムッツリなんですか」
「なんですぐそういう方向に話がいくんだお前は。羨ましいからって他人をひがむのはお門違いなんじゃないか?それに、同じクラスなら理緒だって同じだろう」
話し出すと火花を散らす二人を横目に、翼は理緒に耳打ちをする。
「あの、理緒先輩」
「はい?」
「あの二人って仲悪いんですか?」
「んー…悪い訳ではないんですが、優太君の勝手なライバル意識でしょうね」
「ライバル?」
翼の疑問に理緒は頷く。
「自分も透俐と一緒にいたいのに、その隣にはいつだって朔夜がいる。自分がどうしても手に入れたいものを持ってる朔夜に対して勝手にライバル心を燃やしているのでしょう。透俐と朔夜が特別仲がいいのは確かですしね」
「でもそれを言ったら理緒先輩だっていつも一緒じゃないですか。なのになんで…」
「何言ってるんですか翼君…僕ですよ?」
その笑顔と台詞で全てを悟った気がした。
「っだぁもう!やめろ!」
突如叫び声を上げたのは、ずっと黙って言い合いの中心にいた透俐だった。
「喧嘩はやめろ!まだタイトルに関係すること一個もやってねぇのに無駄にページ増やすな!」
「おい透俐、そういう発言するなって言ってなかったか」
「うるせぇ!…もういい、やるぞ!親睦会!」
こうして無理矢理始まった親睦会。当初の目的が始まるのは吃驚なことにこれからである。
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