2477人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、親睦会って具体的には何をするんですか?」
翼のもっともな質問に透俐は机の下を漁りながら答える。
「お互いのことを知るにはまず話をするのがいいはずだ。かといってそう簡単に話題が見つかるはずもない。そこでこれだ」
取り出したのはくじ引きで使いそうな箱。
「これの中には色々話題が入ってる。これから俺がここから一つ引くからそれについてのエピソードを話してもらう」
「随分ザックリだな」
「それじゃあ、第一回 チキチキ!赤裸々暴露大会スタート!」
「親睦会どうした」
第一話題 自分の家について
「また下らない内容を…」
「因みに箱の中身は全部俺作だ」
透俐の言葉を聞いて、もうろくな話題は入ってないなということを悟った。
「でもあまり聞いたことないですよね。そういえば」
「ではここは僕からいきましょうか」
手を上げたのは理緒。
「僕の家は芸術面の家元で、主に華道と茶道をしています」
「あ、そうだったんですか」
あまりそういう話をしたことがないので翼はそれぞれの家についてなどは知らなかった。
「はい。何にも縛られないが家の家訓ですので他にも色々な方面に手を出していますが自然と芸術方面にいってしまうんです」
「理緒は絵も上手いしな。その方面に才能ある血筋なんだろ」
成る程、雰囲気的にも理緒には芸術というものがしっくりくる。
「じゃあこの流れで翼君、お願いします」
「あ、はい」
どうやら勝手に進めてくれるらしい。進め方を考えてなかった透俐からしたら有り難い限りである。
最初のコメントを投稿しよう!