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「SSっていうのは頭文字でな。色無、色がない、透明、つまりステルスのS。それと色はしきとも読むからこれもS。どっちもSだから丁度いいという何が丁度なのかなんとも理解不能なところからきた会社名なんだ」
「はぁ…そうなんですか」
「因みにこの学校の経営者はうちの父親だ」
「はぃ!?」
またしても突然の暴露に翼はパンク寸前だ。
「うちの母親が彩って名前でな。色無彩から色彩って名前はとったらしい。もっとも他のことで忙しくて学園長としての仕事は叔父に丸投げだがな」
淡々と語る透俐に対して、翼は頭痛がした気がして頭を抱えた。
「先輩方はこの話知っていたんですか…?」
「あぁ」
「勿論」
「当たり前でしょ」
平然と言ってのける先輩達に翼は頭痛が酷くなった気がした。
「まぁ家のことはこれくらいか。じゃあ次の話題いくぞ」
「ちょっと待ってください」
箱に入れようとした透俐の手を掴んで止めたのは理緒。
「今日はここまでにしませんか?」
「何でだ。まだ一つしかやってないのに」
「今の翼君に更に話題を与えたら…ね?」
理緒の視線を追うとそこには未だに頭を抱える翼の姿。
「確かに、今日はこれが限界かもしれないな」
「朔夜さんと同じ意見っていうのは癪に障るけど…俺もそう思うよ透俐さん」
二人の意見を聞いて少し不満げな顔をした透俐だったが、渋々箱から手を引いた。
「仕方ない…今回の親睦会はお開きだ!」
透俐の終わり宣言に風紀の面々はそれぞれ安心した顔をする。
「でも一つだけしか使わないのは勿体ないからな…またいつかやるか」
そう言いながら透俐は話題BOXをしまう。
この箱がまた使われる日がくるのか…それは委員長の気紛れ次第である。
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