委員長のお悩み相談室

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「いつもより早く終わったな…」 通常より早く授業が終わった翼は、委員会室へと歩いていた。そして、部屋の扉が見えたころ。 「ありがとうございました」 「ん?」 一人の生徒が部屋から出てきて丁寧にお辞儀をすると自分とは反対方向の廊下を歩いていった。 「誰だ?あの人…」 怪しく思いながらも、おはようございます、と挨拶をしながら中へ入ると、そこには委員長一人だけ。 「よす、早いな」 「いえ、授業が早く終わって…あの、透俐先輩?」 「んー?」 どうしても気になった翼は、透俐に直接聞いてみることにした。 「さっきの方、誰ですか?」 「さっきの方?」 「さっきここから出てきた…」 透俐は翼の話をお菓子の袋を開けながら聞くと、あー、と納得したように数回頷いた。 「あれはまぁ…気にするな」 「えっ?」 どういうこと、と聞こうと思ったら突然部屋の扉が開いて、その言葉が音になることはなかった。 「あ、朔夜に理緒。掃除終わったのか?」 「はい、今さっき」 「おはようございます透俐さん!」 「おぉ優太、はよー」 そこに優太も加わってますます聞ける状況じゃなくなった。 「…なんだったんだろ」 翼の疑問は、いつも通りの賑やかさを見せ始めた風紀委員の面々によってかき消された。
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