序章

4/6
前へ
/6ページ
次へ
学校に着き、御影 光(みかげ ひかる)は自分の席に座り今日ある授業の準備を始めた。 「おはよ。…それにしてもお前、真面目だよな。」 御影の親友、涼風 涼(すずかぜ りょう)は教科書の整理をする御影を見て感心したように言った。 「ああ、おはよう。…ふつうだろ?お前がしないだけで。」 「そんな事はない。お前が真面目すぎるだけなんだって!」 「じゃあお前は不真面目だな。」 「ちょっ…!違うから!俺はふつうなの!」 涼がムスッと拗ねる。 それを見て御影は苦笑を漏らした。 SHR(ショートホームルーム)の始まりを告げるチャイムが鳴った。 チャイムが鳴り終わってから数分後、担任の先生が教室に来た。 「おーい、皆揃っているかー?SHRを始めるぞ。」 やる気のない声でSHRの始まりを告げる。 声も然ることながら、先生の格好もYシャツに緩く結んだネクタイ、そして白衣。 本当に絵に描いたようなダメ教師の見た目をしている。 この先生の名を藤田 章仁(ふじた あきひと)という。 化学の先生だ。 因みに生徒からは親しみを込めて、ダメ教師を言われている。 いや、本人の前では口が裂けても言えないが… 生徒間の話でのみ通じる愛称なのだ。 本人の前では呼ばない。 大事な事なので、2度言いました。 ここ重要です!
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加