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「これで、SHR(ショートホームルーム)を終わるぞー。授業に遅れないよーに。」
と生徒に告げ、章仁は頭をボリボリと掻きながら職員室へと戻って行った。
怠いなーと思いながら頬杖をついていると、転校生の千歳がケータイを弄っているのが目にはいった。
因みに千歳の席は俺の左斜め前の席だ。
よって千歳のしていることが俺の席からはよく見える。
俺の席は一番後ろなのだが。
御影は思い切って千歳に声を掛けてみることにした。
「何やってるんだ?」
その問い掛けにビクッと過剰な驚きを見せると
「…ケータイゲームだよ。」
訝しげに眉間に皺を寄せながら答えた。
「ケータイゲームか!何の?……あっ俺、御影 光っていうんだ。宜しく!」
御影は興奮したように問うた。
「……よろしく。僕は御手洗 千歳。E.S.Rっていうゲームなんだけど…知ってる?」
突然の自己紹介に吃驚し、少し固まりつつも、千歳は笑顔で答える。
「知ってる!実は俺もしてるんだ!面白いよな。」
「えっ!そうなんだ。すっごく面白い!」
千歳は興奮したように、嬉しそうに言った。
実はこの二人、大のゲーム好きなのだ。
御影にいたっては、ゲームの天才、若干16歳にしてゲームを制作する程の実力の持ち主なのだ。
ゲームの話で盛り上がっている二人に近づく人影が…。
「おい、光と転校生。次、移動教室だからそろそろ移動しないと授業に遅れるぞ!」
紅い短髪に琥珀色の瞳の背の高い生徒が2人に話かけてきた。
「おっと、もうそんな時間か…。悪いな涼。ありがとう。」
御影がふと時計に目をやり移動の準備を始める。
「転校生も行くぞ!」
ニッと笑顔を浮かべる涼。
人懐っこそうな笑顔だ。
「ああ!分かった。」
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