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「…馬鹿強いのは事実やな。仕事に関しても確かに卒ない」
山崎は齋藤が人をここまで評価しているのを見たことがなかった。
賞賛されているのが、楓以外の人間であれば山崎は素直に受け入れていただろう。しかし、相手はあの楓。当然素直に認められるはずがない。
「山崎さん、山崎さん!鼻にまで皺よってますよ!」
「何かあったのか?」
「…いや、猪女のあの勝ち誇った顔が頭に浮かんで」
「それは最悪ですね」
「そうなのか?」
山崎の皺の原因が自分の発言だとは露知らず、齋藤は若干黒いオーラを出しながら俯き加減の二人を不思議そうに観察していた。
「そもそも、あの人は一体何者なんですかね?」
しばらく俯いていた沖田が唐突に質問を投げかけた。
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