私の大切な人

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私の大切な人⑩ 「びっくりした~。帰ってきたなら声かけてくれれば良いのに。」 私がそう言うと 「呼んだけど、お前ったら全然聞こえてねーからさ。」 時計を見ながら呆れた口調で真は言う。 いちごも時計に目をやると、もう少しで17時になるとこだった。 アルバムを見るのに夢中になりすぎて時間なんてまったく気になどしていなかった。 「で・・何を見てんだ?アルバム?」私の横にしゃがみこみ真は納得したように言う。 「うん。何か懐かしくてさ・・」 そう言いながらページをまためくっていく。 他人からしてみれば、アルバムなんて・・・と、思うかも知れない。 でも、いちごにとっては大好きな真との大切な思い出なのだ。 「なぁ、いちご・・・。ベランダで少し話さないか?」 突然、真が言いだした。 「そうだね・・行こうか。」 彼が言いたい事を何となくではあるが察した私は、ぐっすり眠っている拓真たちを起こさないように気を付けながらベランダに出た。
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