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私の大切な人⑪
ベランダに出ると気持ちいい風が吹いていた。
「どうしたの真?急に話そうなんて?」
いちごは少しいたずらっぽく聞いてみた。
「何となくかな?普段は忙しくて・・中々、言えねぇからさ・・」
少し照れくさそうに彼は言う。
確かにそうかもしれない、特に拓真と凜が産まれてからは二人で過ごす時間も減ったから・・私は心の中で思った。
「ありがとな・・一緒にいてくれて、すげー感謝してる」
ちょっとぶっきらぼうな言い方だが、これが真なりの気持ちの伝えかただと・・いちごは誰よりも良く知っている。
「ううん・・。私の方が真に感謝してもしきれないよ・・」
彼の手を軽く握りながら私は言った。
聖マリー学園に入学して真や花房くん、それに安藤くんに出会って・・・彼らに助けられながら色々な事を教えてもらい、気がついたら・・
私は、真を好きになっていた。
「真、愛してるよ。これからもよろしくね・・・」
「あぁ、俺も愛してる。いちご・・・。」
二人は抱き合い甘いキスをした。
(完)
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