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初めての恋④
恥ずかしさのあまり部屋を飛びだしてしまった私は、行く宛もなくただ学園内を歩いていた。
春先だというのにこの時間は上着を着てないとさすがに 寒い・・。
「上着持ってくれば良かった・・」
そう言いながら携帯で時刻を確認すると、もう少しで20時になるとこだった。
どうりで寒いわけだ・・・。
ヴゥーヴゥー・・・
突然、いちごの携帯が鳴り画面を見ると樫野からだった。
さっきまでルミちゃんと、あんな話をしたあとだけに緊張しちゃう・・・と、思いながらも
「もしもし・・」とりあえず電話にでる。
「俺だけど・・悪りぃな、こんな時間に忙しかったか?」
いつもと違い優しい口調だ。
まぁ、いつも怒られてばかりだからイメージ的にはそっちが強いかもしれないが。
「別に忙しくないけど、何か用事あった?」
いちごは用件を聞いた。
樫野から連絡がくるときは必ず大事な用事などがある時だけだから凄く内容が気になった。
「いや・・・特に大事な用ではねぇけど、暇なら今から調理室に来ないか?」
その言葉に私は耳を疑う。
でも、ここで下手な事を言うと彼なら怒りかねない・・そう思い
「うん。良いよ、今から行くね!」
私はそう言って電話を切り調理室へと向かった。
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