初めての恋

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初めての恋⑨ 保健室につくと花房くんは私を椅子に座らせ、自分の制服のポケットからハンカチをだして涙を拭いてくれた。 「いちごちゃん・・何があったのか僕に話してごらん?」 私は昨夜の事を話した。 花房くんは黙って何も言わず最後まで聞くと 「そうだったんだ・・樫野も酷い男だよね、ありえないよ。」 呆れたように言う。 彼には私が昨日の夜、樫野に言った言葉の意味がすぐにわかったらしい。 「ごめんね、私のせいで実習にでれなくて・・・」 いちごは申し訳ない気持ちでいっぱいになり花房に頭を下げて謝る。 後で、二人にも謝らないと・・樫野は凄く怒ってるだろうな~ いつもみたいに普通に話せるかな・・そう考えると、また不安な気持ちになる。 「僕に謝る事ないよ♪自分でやった事だし・・でも、いちごちゃんは本当に樫野が好きなんだね♪」 私の顔を見て、笑顔で彼は言った。 そう言われ初めて気付く・・ やっぱり私、樫野の事が好きなんだ、どんなに怒られても側に居たいと心の中で思ってる。 この気持ちに嘘はつけない・・いちごは、ある決心をする。
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